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海外年金相談センター 市川俊治

海外年金相談センター 市川俊治

カテゴリー:年金・保険

日本の年金を1本化して送金して!!厚労省訪問報告

 

前回のコラム:「日本の年金を1本化して送金して!!」はこちら!

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前回、日本の年金の振込先を米国の銀行口座に指定した場合、

①銀行でハンドリングチャージ(Handling Charge取扱手数料)として約15ドルから20ドルをとられます。日本の年金は偶数月に年6回振り込まれますので、年間20ドル×6回=120ドルの出費となること、

 

②65歳以降は老齢厚生年金と老齢基礎年金の2本立てとなり別個に振り込まれますので120ドルの出費は倍の240ドルとなりご夫妻で受給しているご家庭は480ドルの負担となってしまうこと

 

③銀行でハンドリングチャージを課すのは止むを得ないのですが、問題は日本から送金する場合、老齢厚生年金と老齢基礎年金を個別ではなく纏めて振り込むことが出来れば、費用負担を半分にすることが出来ることをお伝えしました。

 

その上で、日本の年金の送金を1本化して負担費用の軽減による実質年金額の増加を計るべく、本件の窓口である厚生労働省に申し入れを行ないますとお約束しました。

 

この度、2月17日に厚生労働省年金局を訪問いたしました。

初めに年金局の方へ当方の活動を紹介後、問題解決の要望書を手渡しました。

 

年金局からは、問題に関して以下の回答および説明がありました。

・2本で送金されている理由を調べたがわからなかった。

 

・日本国内の年金受給者は全ての年金が1本で送金されているのに、海外厚生年金受給者だけ2本立てで送金されているのは現実的ではない。

 

・年金の送金には、厚労省だけではなく日本年金機構、日本銀行が関与しており現行の送金システムの見直しで支障が出ないかを確認後、システム改修費用の予算化が必要となる。

 

・予算化には少し時間はかかるが改修を進めていきたい。

 

今回の訪問で年金局には2本立て送金の問題点をご理解頂きました。

また、問題解決のための対応を進めて頂けると認識いたしました。

 

ところで提案ですが、一本化のためのシステム改修の予算増を補う意味で、2か月に1回、年金送金の都度海外の年金受給者に送られてくる「国民年金・厚生年金送金通知書」(以下「送金通知書」)を廃止しても良いのではと思います。

毎年6月支給前に受給者には「国民年金・厚生年金保険 年金額改定通知書」が送られてきます。

そこには新年度(4月から翌年3月の間)の年金額と2か月ごとの年金支払額が記載されていますので、期中で年金額が変更されない限り「送金通知書」が送られてこなくても年金額は把握できるわけです。

 

現に、日本国内の受給者には「送金通知書」は送られていません。

今後の年金の事務コストの軽減のためにも「送金通知書」は海外の年金受給者へも廃止して良いと思います。本件に対して皆様からご意見を頂ければ幸いです。

引き続き一本化の動向を確認し実現に向けて皆さんと一緒に取り組んでまいりますのでどうぞ宜しくお願い致します。