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中泉拓也

超おすすめ!曽我部プロのゴルフレッスン

昨年、マスターズで松山英樹が優勝したのは本当に感動しました。ゴルフのメジャートーナメントを本格的に見るようになり、いつかは日本人が優勝してほしいと思って30年、震災直後にアマチュアでマスターズに出場した松山選手を応援し始めて10年、ついに優勝。長かった。優勝した瞬間、日本のTBSの中継ではアナウンサーもプロゴルファーの中嶋常幸も号泣。もらい泣きしそうでした。

 

大学でちょっとゴルフをかじって以来、ぼちぼちゴルフ続けていたのですが、結婚して、育児も忙しくなり、この15年ほど、全くクラブを握っていませんでした。それが今回の滞在ではむしろ妻がレッスンを受けたいということで、ほぼ15年ぶりにゴルフをすることになった次第です。2020年10月、サンディエゴタウンに掲載されていた曽我部プロの無料レッスンを受けにカールストンオークスへ。

 

偶然、サンディエゴタウンの取材班も来ていて、レッスンを受ける様子が掲載されました(https://www.sandiegotown.com/bloguru/385432/-/ )滞在中の2020年-2021年は完全にコロナ禍と被りましたが、サンディエゴの郊外は広々としていて、隔離にはもってこいですね。自然が豊かなだけでなく、さまざまなスポーツも本当に楽しめました。曽我部プロのレッスンとゴルフもその一つです。合理的で、シンプル、更にアメリカならではのやる気を引き出すスタイルで、初回からすぐに共感し、妻も無料レッスンがたいへん気に入って、家族全員で有料のレッスンを受けることになりました。それで帰国直前まで、サンディエゴのインランド(内陸)、サンティにあるカールトンオークスゴルフコースに通ったのでした。

 AJI サンディエゴ ゴルフレッスン

 

無料レッスンは初心者向けということで、妻のインストラクションを中心にお願いしていたのですが、経験者の私も少し質問しただけで、ものすごく参考になりました。その後のレッスンでも勉強になることが多々あり、数多くの思い出ができたサンディエゴ滞在中でも五本の指に入るほど印象深い経験になっています。以下、曽我部プロを推す理由を3点にわけて説明したいと思います。要約すると、(1)インストラクションの理念に共感したこと、(2)最新の技術をわかりやすく、習熟しやすい方法で教えていただけること、そして(3)個別指導が素晴らしいということです。以下、それぞれについて説明します。

 

(1) インストラクションの理念に共感
日本ではゴルフ雑誌を中心に複雑に理屈をこねすぎで、本質的なところが見えにくくなっているとのこと。曽我部さんはもっとシンプルに、例えばショットする際に振り子のようになっているかといったことに絞り、その方法について、非常に具体的に教えてくださいました。他にもパターではできるだけ手首を使わず、逆にピッチショットやフルスイングでは、手首を柔らかく使うことで、コントロール性や飛距離の向上につなげるという指摘は、ゴルフを何十年もしてきたにもかかわらず、唸らされたことです。他にもなるほどと思う指摘がたくさんあり、結局半年弱もお世話になりました。

 

また、日本では子供の頃から細かく指導しがちだが、それだと伸びない。小さい頃はもっと自由にさせるのがいいとのこと。実際子供たちを連れてきて初めてゴルフをさせてみてとても驚きました。私自身は初めてクラブを握ったのが二十歳の時ですが、最初ほんとに当たらなくて苦労しました。ところが、初めてゴルフクラブでボールを打った子供たちはちゃんと当たっている。いやあそれだけ見てほんとにカルチャーショックを受けました。小さい頃からいろいろなことに偏見なしでチャレンジさせることは本当に大事だと思った次第です。帰国直前に行った最後のショートコースのホールで、長男がなんとバーディ。私もまだ取ったことないのに、先起こされてしまいました。ほんとうに半年間言うことを聞かないで好き勝手にしていたのに、曽我部プロが少し指摘するだけで良くなるので、子供の上達は目覚ましかったです。

 

(2) 最新の技術をわかりやすく、習熟しやすい方法で解説

私は大学の時に先輩に聞いたベンホーガンのモダンゴルフ(実は英語の勉強をかねて、日本語と英語両方持ってます)が自身のスイングやグリップのベースになっているのですが、流石に1957年出版の本でやはり古いところも多いそうです。曽我部プロはその後の40年間の進歩についてもしっかり教えて下さいました。まず、グリップ。もっとフックに構える。あとはトップの位置が背中(後ろ)に行きすぎているので、もう少し前にするといったことです。

実はゴルフの場合、テイクバックしたところが体の真ん中にならないといけないのですが、実際自分が正しいと思っていた姿勢だと右に行きすぎていました。それが曽我部プロに教えてもらった位置にしたら、ちょうど真ん中になっていてびっくりしたものです。3にもつながりますが、曽我部プロは個々人の癖を非常に的確に見て修正するのがすごいです。

また、ゴルフに関するストレッチや運動も教えてもらったのですが、中でも足のストレッチと肩の運動が参考になりました。足のストレッチは、プレーの前の動的なストレッチです。具体的には片足を前後に強めに大きく数回振る。それを左足も右足も。これでプレー前の筋肉のほぐれになります。実はこれ、今でも続けていますし、ゴルフだけでなく、運転前も行っていました。長時間の運転だと一番怖いのはあしがつることではないでしょうか。高速道路で足つったりしたらそのまま死ぬので、それだけは避けたいと思っていたのですが、このストレッチをするようになって、全くそう言う心配がなくなりました。 こちらを参照してください。 https://www.youtube.com/watch?v=mWhRdCajsUo

 

もう一つは肩を回す運動。両腕を開いて伸ばし、先ずは親指を上にして、小さく5−10回回転させ、次に中程度に5−10回回転、最後に大きく5−10回回転。今度は親指を下にして同じように回転。これ最初は疲れて全部できなかった程度ですが、肩の運動としては非常に有効で、五十肩対策にもなるかもです。

 

他にもパターの時に手首を動かさずにパターをする練習は、実はクラブを持たないと手首を動かさないで打てるので、それをやってみるのがいいと教わりました。また、パターを握るときに、ボールを手に挟んでパターの練習クラブを持たずに手を合わせてパターの動きをすることも有力です。そうすると手首は使わないので。

 

更に参考になったのは、どんなクラブを基本にしてスイングを作るかについてです。これもベンホーガンは5番アイアンが真ん中だから、5番を使えと書いてありますが、実は日本人はもっと短いクラブを使う方がいいとのこと。なんと青木功はピッチング、ジャンボ尾崎でも8番アイアンだそうです。ドライバーなど長いクラブを使えば使うほどスイングがブレるので、松山英樹選手でも、短いクラブであるウェッジの練習を試合前にかなり丁寧に行っているそうです。

 

最後にアドレスからショットまでについては、実は体をできるだけ動さない方がいいとこれまで聞いていたのですが、むしろ定番の動きを複数行うほうがいいとのことです。タイガーウッズも比較的ショットまで素振りを何度かしますが、ショットまで体をスイングに慣らす動きを毎回決まった回数するのはむしろ緊張をほぐしてプラスになるとのことです。他にもたくさんありますが、特に以上が印象に残っているところです。

 

(3)個人指導が素晴らしい
曽我部プロは米国スタイルの褒めて伸ばす方針の方なので、個人的にはもっと言って欲しかったくらいですが、それでも1回のレッスンで1つのコメントをもらうのを積み重ねただけでものすごくショットが安定するようになりました。息子もうまくできなくてやる気をなくしていたら、曽我部プロのアドバイスで飛ぶようになって、またやる気が出てきたことが何度もありました。

 

私もよく言われるラーメンじゃなくてチャーシューメンで打て(できるだけスイングを急がないことのたとえです)というのを心がけているはずですが、全然できてなかったです。ただ、最後慣れてきてちょっとそれを心がけて打ってみたら、早速それに気付いて、曽我部プロに褒めていただきました。

 

ほんと、その人の癖やレベルに合わせて完全にカスタマイズして指導されているのはすごいなと思います。AIが全盛になってもなかなかこういうアートに属する定形化されにくい個人指導はAIには難しいでしょう。最もAIに奪われない仕事の一つではないかと思います。個々人のくせを見抜いて適切にアドバイスしてくれるのが曽我部プロのレッスンの醍醐味です。みなさんぜひ体験してみて下さい。

 AJI サンディエゴ ゴルフレッスン 2

 

追伸:以上は曽我部プロにも見ていただいて、指摘をふまえて校正したものです。ということで、その最後の曽我部プロのコメントを締め括りに。「日本人やアジアの人たちは、とかく厳しくしすぎて、楽しさを教えることを忘れがちになります。それから、子供に限らず大人も含めて、一人一人の可能性を長い目で物事を見られたら、もっと余裕ができると感じます。」

 

曽我部プロの初心者クリニック(サンディエゴタウンより)
日時:毎月第三土曜日
年齢:15才以上
参加費:初回から3回目まで無料、4回目以降は$15
場所:カールトンオークス
お申込み方法:曽我部までご連絡下さい。tel 619.504.5032
golf@ksi-sd.com
その他:クラブをお持ちでない方は無料でレンタル出来ますので事前にお知らせくださいとのことです。

 

写真提供元:by 中泉拓也