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コラム Column
日米の年金と国籍
03/18/26
遺族年金制度の見直し(その2)
2025年に決定された遺族年金制度の改正内容につきまして、以前掲載したコラム「日本の遺族年金制度が大きく変わります」の続きとなる情報をお届けします。
― 子供に関する給付の見直しについて ―
日本の年金は5年に1度の年金制度改正が成立し、2028年4月から遺族年金制度が見直されますが、一番大きなポイントは、これまで終身で支給されていた配偶者の遺族年金が、原則「5年間の有期給付」に変わることです。
ただし、この改正はすべての世代に影響するわけではありません。女性の場合、40歳未満の方を対象として20年かけて段階的に見直しが行われます。そのため、1990年4月1日以前に生まれた女性は、これまでどおり終身で遺族年金を受給しますので、改正後は、終身給付と5年間の有期給付の2つの仕組みが併存することになります。
本日は、この遺族年金改正のうち、子どもが受給する遺族基礎年金や子どもの加算金を中心にご説明します。
― 子供が受給する「遺族基礎年金」について ―
今回の改正の趣旨は、子供自身の意思によらない事情によって、年金が支給停止とならないようにすることです。現行制度では、生計を同じくする父または母がいる場合には子の遺族基礎年金は支給停止となる規定があります。
しかし改正後はこの規定が廃止され、18歳到達年度末までのすべての子(注※)が、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給できるようになります。現制度では、例えば、両親が離婚して子が母と生活していた場合、母が亡くなった後に離れて暮らす父から生活費の援助を受けていると、「父と生計を同じくしている」と判断され、子が遺族基礎年金を受給できません。
また、別の事例では、母が亡くなった後に祖父母に引き取られ、養子縁組をした場合には、祖父母が法律上の父母となるため、同じく子の遺族基礎年金は支給されません。改正後は、このような事情によって子が不利益を受けないよう制度が整理されます。
― 配偶者が受給する「遺族基礎年金」の子供の加算について ―
現在、配偶者が受給する遺族基礎年金は年額831,700円に加え、18歳到達年度末までの子の人数に応じた加算金があり、2人目までが239,300円、3人目以降が79,800円となっています。改正後は、子の加算額が充実され、一律281,700円に見直されます。この改定は2028年4月から一斉に適用されるため、改正前から遺族基礎年金を受給している方についても、子の加算額が増額されることになります。
また、現行制度では配偶者が受給する遺族厚生年金には子の加算金がありませんが、改正後は遺族基礎年金と同様に、遺族厚生年金にも子の加算金がつく予定です。なお、遺族基礎、遺族厚生ともに加算の対象となる子については、「国内居住要件」が設けられる予定となっています。
今回の改正は、これまでの制度で不利益が生じていた点を見直し、子への支援についても、より手厚くする内容となっています。制度の対象となる世代や改正内容を理解しておくことが、今後の日本の遺族年金制度を考えるうえで大切といえるでしょう。
(注※)18歳到達年度末の子とは18歳誕生日後、最初の3月31日までの間にある子
または20歳未満で障害等級1、2級にある子
海外年金相談センター 園原昌代
