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海外年金相談センター 市川俊治

海外年金相談センター 市川俊治

カテゴリー:年金・保険

年金海外送金2本立てによる受給者負担増と税金の無駄

厚生年金を日本で受給している方には銀行口座に年6回偶数月の15日に老齢基礎年金と老齢厚生年金が一括して振込されます。

これに対して海外の銀行口座を振込先に指定した場合、2つの年金が別々に送金されてきます。そのため、海外口座での受給者は受取銀行のハンドリングチャージを年回6回2倍支払いしています。

1986年の年金制度改革で基礎年金制度が導入され国民年金が一層目の老齢基礎年金、厚生年金が二層目の老齢厚生年金という運用に変わって以来、この2本立て送金は40年間続いています。

なぜ海外口座での受給者向け送金だけが2本立てなのか理由はわかりません。この2本立て送金を一括してもらえれば、受給者の手数料負担が半分になります。また、国としても送金手数料を半分にできるはずです。

 

2023年2月からこれまで3回厚生労働省年金局との面談し送金1本化の改善の申し入れをいたしました。年金局の方には、海外口座受給者の余分な負担と1本化による国側の送金手数料減額のメリットは理解して頂きました。

しかし、年金の支払いには厚労省と日本年金機構だけではなく、財務省、日本銀行、送金実務を行う三菱UFJ銀行、三井住友銀行等の複数の機関の更に複数の部署が関与しているために調整が簡単に進まないとの説明を受けました。

また、送金システム改修と返金があった場合の対応等万全を期すためには慎重な対応が必要とのことでした。

しかしながら、この2本立ての送金が、税金の無駄遣いと受給者には受取手数料の追加負担を生じさせているのは大きな問題です。どれほどの損失が日本政府と年金受給者に生じているかを計算してみます。

 

2025年3月末現在、厚生年金の海外受給者は12,492人。但しこの中には日本国内に受給口座を持ち日本円での年金受取りをしている人も含まれています。それらの方々は2本立て送金ではなく1本の送金で支払いを受けています。

 

仮に、海外受給者12,492人*1の2/3にあたる8,328人海外受給口座で受取していた場合、2本で送金することにより年間1.5億円*2の送金手数を日本政府は多く負担しています。これが40年継続していたとすれば約60億円の税金を無駄に送金手数料として支払して来たということになります。

 

また、海外での受給者は受給口座に年金が着金した際に銀行からハンドリングチャージを手数料として取られます。米国の場合ハンドリングチャージが1回約$20で、受給者は年間6回の年金受取りで$120の余分な負担を強いられています。

現状打開策のために日本の新聞社への投稿を行いましたが、未だ取り上げてくださる先はありません。問題解決に向けて皆様のご意見をお待ちします。

 

*1  令和7年12月厚生労働省年金局発行の令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況24ページに都道府県別老齢年金受給者数及び平均年金月額として、その他(国外)厚生年金受給者12,492人との記載あり。

*2  1.5億円の算定根拠は、8,328人x3,000円(三菱UFJ銀行外為送金手数料インターネットバンキング他行宛)x 年6回送金=149,904千円

 

海外年金相談センター
市川俊治
http://nenkinichikawa.org
E-Mail:nenkinichikawa@gmail.com