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コラム Column
日米の年金と国籍
12/01/25
外国送金ルール変更でSWIFTコード必須化 日本年金機構が対応を強化
外国送金ルール変更でSWIFTコード必須化 日本年金機構が対応を強化 2025年から外国送金の国際ルールが変更になり、国際決済ネットワークである SWIFT(国際銀行間金融通信協会)において、外国送金におけるマネーロンダリングの規制強化や外国送金事務の効率化を図ることを目的として、外国送金を行う際は、送金先の金融機関の SWIFT(BIC)コードや受取人の住所の都市名・州名が必要となりました。
そのため海外で年金を受け取る場合に提出する届書の様式「年金の支払いを受ける者に関 する事項」の見直しを行い、新しい届書の様式は「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」になりました。
また日本年金機構では既存の受給者について、これらの情報を正確に管理していなかったことから2024年以降、受給者への確認作業を進めています。
①2024年4月に、海外口座を指定して年金を受け取っている受給者に対しSWIFTコードの確認依頼文書を発送し、回答書の返送を求めました。
続いて②同年10月には追加文書を発送し、受取金融機関にSWIFTコードがない場合、中継銀行のSWIFTコードの記入を求めました。
そして③2025年9月には回答書の返送がない受給者に対し更に踏み込み「中継銀行(経由銀行)のSWIFTコードは登録できないため、必ず受取金融機関のSWIFTコードをご記入ください」という内容に改めた文書を送付しています。あわせて、SWIFTコードの登録がない口座を登録している場合は、SWIFTコードを有する金融機関への変更を促す勧奨も行っています。
③の対応は、すでに①②で回答を返送した受給者は対象外とされています。当面の間、現時点の情報で外国送金が可能であることが理由のようです。
ただし、日本年金機構は、新たに海外口座を指定して年金を受け取る方に対し、SWIFTコードを持つ金融機関を指定するよう案内しており、既存の受給者についても将来的には同様の対応が求められることが想定されます。今後の最新情報については、当センターからも引き続きお知らせしてまいります。
日本の年金の海外送金1本化へ制度変更の要請 日本の年金受給者の方が、年金の振込先に米国の銀行口座を指定した場合、振込みの都度、銀行でハンドリングチャージが引かれます。ハンドリングチャージを課すのはやむを得ないですが、問題は日本からの送金が老齢基礎年金と老齢厚生年金の2本立てで行われるため、ハンドリングチャージも2回分発生している点です。国内送金と同様に1本化での送金となれば、受給者の費用負担が半減できます。
そもそも海外の年金受給者の年金額は日本にお住まいの方と比べれば小額の方が大半ですからその負担額は小さなものではありません。以上の状況を踏まえ是非とも1本化への早期改善を実現すべく,2023年2月に厚生労働省年金局との面談のうえ、改善の申し入れをいたしました。
今年(2025年)8月にも当センター2名と外部支援者の計3名で厚生労働省年金局を訪問し、3回目の面談を行いました。国にとっても送金本数を減らせるというメリットが見えてきたとの発言があった一方、システム改修に伴う関係機関との連携が課題との現実的な説明もありました。
私達は今後も改善を求め続け、国には検討のスピードを一層高めていただき、海外で年金を受給されている皆さまへ一日も早く吉報が届くことを願っております。状況によっては皆さまのお力をお願いすることも想定されますが、その際はご協力のほどよろしくお願いいたします。日々の暮らしで不便に感じる点を少しずつ改善し、より暮らしやすい生活を一緒に実現していきましょう。
海外年金相談センター
園原昌代
http://nenkinichikawa.org
E-Mail:nenkinichikawa@gmail.com
