San Diego Town

はじめまして。この春から市川さんのもとで仕事をしております、社会保険労務士の園原昌代です。市川さんのご指導のもと、年金事務所での勤務経験を活かし、窓口での実体験もまじえながら、皆様の知っておくと安心な年金情報をお届けしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

海外にお住まいの方が日本の年金を受け取るときに必ず確認されるのが「カラ期間」です。カラ期間（＝合算対象期間）とは日本国籍で２０歳から６０歳まで海外に在住していた期間のことで、年金額には反映しないという意味でカラ期間と言います。このカラ期間をまず日本の年金加入期間に加算して受給資格の有無が算定されます。

カラ期間の証明方法で一番簡単なのは「戸籍の附票」です。
日本を出国するときに転出届を提出しておけばその記録が附票に掲載されます。

附票に転出時点が記載されていない場合は「出入国在留管理庁」に出入国記録に係る開示請求を行います。ここで注意する点は、日本年金機構はカラ期間を計算する時には日本を出国した１年後からカウントを開始するということです。

毎年日本に一時帰国しているとカラ期間が計算されないということも起こり得ますのでご注意ください。そしてもう一つ、出入国記録を請求するときにはご自身の「20歳の誕生日前日以降」の記録を求めてください。

年金事務所では曖昧に「20歳以降の記録を取得してください」と案内されがちですが、「20歳当日以降の記録」では年金事務所は受理しません。たった1日の違いでも条件を満たさず、記録の取り直しに1か月以上かかることもありますのでご注意ください。

次に年金受給者の方の「現況届」についてです。2025年4月からは、海外在住で日本の年金を受け取っている方への現況届の送付時期が変わりました。これまでは誕生月の前月下旬に送られてきましたが、誕生月の3か月前に届くようになりました。

提出期限は誕生月の末日までなので、早めに準備できるようになった反面、送付時期が変わることを知らないと「あれ、もう来た？」と驚くかもしれません。現況届に添付する書類（在留証明、居住証明等）は誕生月を含めて過去６カ月以内に証明を受けたものを有効として扱います。加給年金額対象者がいる方は、対象者の証明も必要となります。

日本に一時帰国中の方であって在留証明を添付できず期限までに現況届を提出できないときは、パスポート等の本人確認ができる書類または健在確認ができる書類をご用意のうえ、お近くの年金事務所に来所してください。

外国籍の方は、在留証明に代えて、自国の戸籍や住民票に相当するもの、または第三者の証明（公的機関や公証人等の証明書またはサインがあるもの）を添付します。加給年金額対象者がいる方は、対象者の証明も必要となりますのでご注意ください。

在留証明や居住証明の取得が困難な場合は、誕生月を含めて過去６カ月以内に発行されたパスポート又は運転免許証の顔写真、氏名の記載があるページの写しや、国外居住者の氏名、住所及び誕生月を含めた過去６カ月以内の支払いの事実が確認できる公共料金の領収書の写し（請求書は不可）で対応が可能です。

海外年金相談センター
園原昌代
http://nenkinichikawa.org
E-Mail：nenkinichikawa@gmail.com