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塚越悦子

日本に子連れで帰国していた女性がハワイ入国時に逮捕

先週いくつかのニュースサイトで、今年4月、ハワイにアメリカの永住権を更新するという目的で入国した日本人女性が、親権妨害容疑で逮捕されていたという件について読みました。

この女性は2002年にアメリカ在住の夫(ニカラグア国籍)と結婚、子どもを出産し、ウィスコンシン州で暮らしていました。2008年に、子どもを連れて日本に帰国。翌年に離婚が成立した際、アメリカの法廷は夫に親権を与えたものの、その後日本人女性は日本で申し立てを起こして、日本の法廷からの「日本人女性に親権を与える。ただし元夫にも年間30日の面会権を与える」という決定に変更になっていたそうです。

47日に逮捕されてから現在に至るまで身柄を拘束されたまま、裁判は継続しているとのことで、この間、子どもはどちらの両親とも会えない状態が続いているとのことでした。ニュースサイトで読む概要だけでは、日本人女性が子連れで日本に帰国することを決断した理由はわかりません。DVなどの可能性も考えられますが、日本の法廷がアメリカの決定を変更した際に、夫にも面会権を与えたことを考えると、もし実際にDVなどの背景があったとしても、そのことを日本の法廷に対しても証明し切れなかったのでは?という予測も成り立ちます。

女性は「子どもをアメリカに返還すれば執行猶予をつける(=刑務所には行かなくてよい)」という司法取引を拒否したため、11月の裁判の判決次第では親権妨害容疑で懲役20年以上の可能性もあるそうです。

アメリカでは有力な弁護士がいるかどうかで、裁判の行方も大きく変わってきます。異国で拘束中の間の裁判。女性の語学力、サポートをしてくれる人がいるのかどうか、有力な弁護士がいるのかどうか、そのための財力はあるのか・・・様々ことが気になります。上記のような状況があってアメリカから日本に子どもを連れ帰ったのだとしても、日本の法廷でさえ元夫不在の場での決定で「30日間の面会権」を認めていたのだとしたら、アメリカの法廷において彼女に有利な判決が下るとは考えにくいということも事実です。

ハーグ条約加盟を表明してから半年以上が経過し、アメリカ政府もさまざまな形で圧力をかけている状況でのこの事件。判決の経過などを注意深く見守りたいと思います。それと同時に、国際結婚を考えている一人でも多くの方に、こういった出来事について知って頂きたいと切に願います。

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