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金 一東

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カテゴリー:健康
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不眠症(Insomnia)

不眠症

不眠症の人はアメリカで6000万人いると言われています。1か月以上不眠が続く慢性不眠症の人も人口の1割程度いると推定されていますが、それほど不眠症は一般的な病気です。不眠症は年齢が上がるに従って増え、高齢者の多くが不眠症に悩まされています。

不眠症の症状

不眠症の症状は、なかなか寝付けない、あるいは一定時間眠り続けることができないーなどが主なものですが、それ以外にも、目を閉じることができなかったり、心を休ませることができないーと訴える人もいます。熟睡できない、目が覚める時間が早すぎる、目覚めた後でも疲れや寝たりなさがある、日中に疲労や眠気があるーなども不眠症の症状です。

不眠症の原因

不眠症の一般的な原因は、覚醒~睡眠サイクルの狂い、カフェインなどの刺激物の取り過ぎ、ストレスなどによるものです。時差ぼけ、夜勤、当直、徹夜の勉強などは覚醒~睡眠サイクルの乱れを起こします。

  • ストレス ー 仕事、学校、家族、健康などに関する悩みやストレスがあると、寝る前にリラックスできなくなり、入眠が困難になります。退職した後、何もすることがなく、極端に退屈になるのもストレスや不眠症の原因になります。
  • 不安 ー 日々の不安や不安症は、ストレス同様に入眠を妨げます。
  • 薬の副作用・刺激物 ー 抗うつ薬、高血圧薬、ステロイドなどの処方薬、鼻づまりの薬、やせ薬などの副作用、カフェインの入った飲料水や薬なども睡眠を妨げます。栄養ドリンク、アメリカのエナジードリンク類、コーラ、ソーダなどにもカフェインは入っています。ニコチン、砂糖、アルコールも寝る前の摂取は控えて下さい。
  • うつ病などの病気 ー うつ病は寝過ぎるか、入眠障害を起こします。躁(そう)病も入眠障害を起こします。前立腺肥大など、夜間に頻尿を起こす病気は睡眠を妨げます。それ以外にも、不穏下肢症候群、甲状腺機能亢進症、GERD(食道胃逆流症)、関節炎などの痛みを起こす病気、睡眠時無呼吸症候群などが不眠症の原因になります。
  • 仕事や学業 ー 出張、夜勤、当直、徹夜などがあると、覚醒~睡眠サイクルがおかしくなっていきます。
  • 加齢 ー 50歳を過ぎると、睡眠によって疲れが完全に取れることがなくなってくるかもしれません。これは、深い眠りが少なくなるためです。より浅い眠りになるので、睡眠中に目覚めやすくなります。加齢と共に体内時計は早くなり、夜疲れて早く寝て、朝早く起きることになります。高齢になると、必要な睡眠時間が短くなるという誤解がありますが、本当は、高齢になると、1回に長時間眠る能力が低下しているだけで、睡眠時間が少なくてもいいわけではありません。夜寝る時間が少なくなると、昼寝をするようになります。
  • 日常生活 ー 日常生活での活動量が少なくなると、深い眠りができにくくなります。また、より自由な時間ができて、カフェインやアルコールを多く摂取したり、昼寝をしたりするので、夜寝るのがさらに困難になってきます。
  • 運動量 ー 運動量が少なくなると、適度な疲れが起こらず、不眠症の原因となります。
  • 錯眠(Parasomnia)ー 睡眠中に起こる夜驚(やきょう)症、夢遊病、夜尿、夜間痙攣(けいれん)などの機能異常は睡眠を妨げます。
  • その他の原因 ー 寝る前に食事をすると、胃食道逆流症状を起こし、睡眠が妨げられることがあります。脱水は血中の刺激物、ホルモンなどの濃度を高め、睡眠障害を起こすことがあります。この場合は、コップ1~2杯の水分を取ると1~2時間以内に眠れるようになります。

不眠症の治療

他の疾患や精神的な病気によって起こる不眠症は、その疾患の治療をすることが不眠症の治療になります。後述の「よりよい睡眠のためのアドバイス」を試みて、不眠症が治らない場合は、次の様なことをすると眠れるかもしれません。例えば、寝る前に温かいミルクを飲む。夜に暖かいお風呂に入る。午後に30分程度の激しい運動をする。昼食はお腹一杯食べて、夕食は入眠3時間以上前に軽く食べる。寝る前に頭を使うような勉強や活動は避ける。ハチミツを温かいミルクに入れるとトリプトファンが早く体に吸収されると言われています。トリプトファンは自然の鎮静薬で、温かいミルクに多く含まれています。

睡眠薬

睡眠薬として使用されている薬は、ベンゾジアゼピン系の薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、坑うつ薬、メラトニン受容体に作用する薬、市販薬に区別されます。精神依存性や身体依存性はベンゾジアゼピン系の薬で有名ですが、それ以外の薬でも長期服用によって起こる可能性があります。身体依存性のない薬でも、「この薬がないと眠れない」という気持ちになる精神的依存性を起こす可能性は高く、そのため、4週間以上の長期服用の場合には1週間に2~4以下程度の服用にする必要があります。

ベンゾジアゼピン系の薬としてはtemazepam (商品名=Restoril)、lorazepam (Ativan)、flurazepam (Dalmane)などが、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬としてはzolpidem tartrate (Ambien)やeszopiclone (Lunesta)、zaleplon (Sonata)などがあります。これら非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に代わって睡眠薬市場を独占する勢いです。両者の薬とも、一時的な記憶や認知障害、 目覚めた後の眠気などの副作用を起こす可能性を持っています。

抗うつ薬であるmirtazapine (Remeron)、trazodone (Desyrel)、doxepin (Sinequan)などは鎮静作用があり、睡眠薬代わりに使われることがあります。但し、副作用も多く、あまり睡眠薬としては使用されていま せん。

最近、ramelteon (Rozerem)というメラトニンの受容体に作用し、睡眠~覚醒サイクルを制御することによって睡眠作用を起こす薬が出ています。現在処方されている睡眠薬で、唯一身体依存性がない睡眠薬だと考 えられています。

市販の抗ヒスタミン薬であるdiphenhydramine (Benadryl Allergy)も、その眠たくなる副作用を利用して睡眠薬の代わりに使われることがあります。 その他、市販の薬としてはdoxylamine (Nyquil) 、Melatonin 、あるいはハーブであるValerian吉草根(きつそうこん)なども利用されています。 ざくろ(Pomegranate)も不 眠に効果があると信じられています。

アルコールにも鎮静作用がありますが、必ずしも疲れが癒される快適な睡眠が取れるわけではありません。

よりよい睡眠のためのアドバイス

  • 瞑想など、寝る前にリラックスするようなことを行う。
  • 寝る前にカフェイン、たばこ、鼻づまりの薬などの刺激物や運動を避ける。
  • 普段から運動をするようにする。毎日30分程度の有酸素運動を行う。但し、寝る前 2~3時間以内には運動をしない。
  • 寝室は照明を暗くし、騒音、テレビの音などを避ける。目覚まし時計、置時計などは、目に付くような所には置かない。
  • すぐに眠れない時は、ベッドから出て、他の部屋に行くなどして、疲れるまで何かをする。そうすること で、ベッド内で横たわりながら眠れないという状況を避ける。
  • 寝ようと努力しない。疲れて眠たくなるまでテレビを観たり、本を読んだりする。
  • ストレスになりそうなことを寝る前に考えない。
  • 翌日のことや、気になることは、寝る前ではなくて夕食後などに考える。
  • 熟睡できるようなベッドを購入する。
  • いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように習慣づける。
  • 寝る前にいつも同じことをする。 例えば、入浴をして、読書を10分程度するとか。
  • 寝室は寝るだけにして、テレビを観たり、電話で話をしたりしない。
  • 寝る前に食べ過ぎない。 軽いスナック、温かいミルクとクラッカー程度はOK 。
  • 昼寝をしない。