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岩浪弁護士事務所

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カテゴリー:法律
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リビングトラスト VS 遺言書

Q: 遺言書とリビングトラストの違いは?

A: 遺言書というのは、遺言書を書かれた方の財産をその方が死亡された時どの様に分配するかを書き定めている書類です。遺言書は書かれた本人が亡くなった時点で初めて効力を持つので、生存中の財産の使い方について指定することは出来ません。遺言書に含まれている財産は、裁判所で行われる遺言手続きを通して分配されます。

その反面、リビングトラストは作成時より効力を発揮する(発揮するように作ることが出来る)ので、作られた方の生存中でも財産分与を行うことが出来ます。また、リビングトラストを通しての財産分与は裁判所の遺言手続きを通さずにでき、裁判に掛かる、時間・費用を省くことが出来ます。

遺言書は書かれた方が生前中なら、いつでも取り消したり、内容を変えたりできます。リビングトラストも、取り消しや内容変更が簡単にできるように作ることが多いです。その反対で、取り消しや内容変更が出来ないようなリビングトラストを書くこともできます(相続税還元やAsset Protectionの観点から、内容に制限をつける場合等)。

Q: 遺言書を作るか、リビングトラストを作るか選択しないといけませんか?

そんなことはありません。リビングトラストと遺言書、両方を作ることは可能ですし、そうされる方は多々いらっしゃいます。また、リビングトラストと遺言状を必ず一緒に作らなくてはいけないという弁護士もいますが、それも間違いです。作られる方の現状・希望に沿って、リビングトラストと遺言書を一緒に作っておいた方がよい場合と、どちらか一つでよい場合、はたまた、どちらも作らなくてよい場合があります。

Q:遺言書やリビングトラストを作る時期は何時がお勧めですか。

A:遺言書もリビングトラストも、もしもの時に備えて作っておかなければならない書類です。「もしもの時」というのは何時訪れるのか誰にも分からないもので、こういった法的書類の作成には時間を要することもあり、「もしもの時」が起こってからでは手遅になり得ます。又、病気になってからやお年を召されてから用意した遺言書やリビングトラストというものは法的効力を疑われることも多々あります。遺言書、リビングトラスト共に作り手の生存中は書き直しがききます。「思いつた時が行動の時」で新年の抱負としてエステートプランをなさる事をお勧めします。

上記は一般論で、個々の状態では必ずしも適応されるものではありません。個々の状態については専門家にご相談されることをお勧めします。