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コラム Column

海外生活、国際結婚、子育てを応援するMy Peaceful Family

塚越悦子

ハーグ条約が日本社会にもたらす変化

国際結婚と海外での子育てを支援するMy Peaceful Familyでは、サンディエゴに住む日本人の家族にとって有益な情報を提供しています。2013年9月号をお届けします。

・ハーグ条約加盟に向けた動き

国際結婚の夫婦関係が破綻し、離婚になったときのための「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(通称「ハーグ条約」)に、日本が加盟することが決定しました。加盟への表明をしたのは2011年5月ですから、実に2年以上の時間が経過したことになります。この間、国内法の整備がすすめられてきました。先日、国際結婚夫婦が離婚したあと、実際に子どもが居住国でない国に片方の親と移動した際、元の居住国に連れ戻すことになった場合の「子どもの引き渡し」について最高裁判所が定めた通知についての新聞の記事(http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0103C_W3A800C1CC1000/)を読みました。この通知は全国の裁判官や執行官に向けてのもので、実際に子どもを引き渡しを求める状況になった場合のガイドラインが示されています。
ハーグ条約は今まで国際結婚をする人にだけ関係があると思われていた面があると思いますが、私がこの記事を読んで非常に興味深いと感じたのは、「ハーグ条約が想定する国際結婚だけでなく、国内結婚の場合も同様に扱うべきだとの意見が多く、通知に盛り込んだ」という一文です。「日本では、子供の引き渡しの際の法的ルールはなく、かつては公道などで強制的な引き渡しが行われ、子供や他人のいる前で双方の親が言い争いになることもあったという」という言葉で、今までの日本での慣習が、子どもへの影響に対する配慮という面では十分でなかったというニュアンスも感じられる記事の書き方になっています。

日本のハーグ条約加盟をきっかけにして、日本人同士の結婚が破綻して離婚した親同士が子どもの親権を争うことにになったときにも、より子どもの心身への影響に配慮した手続きが行われることになるのは、ハーグ条約のもたらすポジティブな変化ではないかと感じます。同時に、現在のところ共同親権を認めて
いない日本の法律が今後変わっていくのかどうか、興味深く見守りたいと思います。

その他のお知らせ:

・ジャパニーズ・ファミリー・サポートセンター9月のワークショップ

ジャパニーズ・ファミリー・サポートセンター9月のワークショップは9月28日(土)午後1時から行われます。「サンディエゴ生活をより楽しく、より豊かに」というテーマで、毎月無料のワークショップを行っているジャパニーズ・サポート・ファミリーセンター。私も過去に何回か参加したことがありますが、毎回とても楽しく刺激のあるお話を聞けるだけでなく、サンディエゴ在住の日本人と知り合うよい機会でもあります。今回のトピックは「脳卒中」。現役の看護士さんがお二人で、日本の成人死因第3位の脳卒中という病気をどのように予防できるかお話ししてくれるとのことです。是非お誘いあわせの上ご参加ください!場所についての詳細はこちらのサイト(http://japanesefamilysupportcenter.org/jp/event/)をご覧ください。

・My Peaceful Familyポッドキャスト

2月から開始したポッドキャスト番組では、毎回ゲストをお迎えして、国際結婚、そして海外生活をテーマ
にお話を伺っています。今までの番組のアーカイブはこちら(http://mypeacefulfamily.libsyn.com/)か
らご覧いただけます。「成功する国際結婚の秘訣!『国際結婚一年生』著者:塚越悦子公式ブログ(http://ameblo.jp/mypeacefulfamily)では、国際結婚を真剣に考える方、そしてサンディエゴで子育てをする方にとって役立つ情報を発信しています。こちらも合わせてご覧ください。