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塚越悦子

国際離婚とハーグ条約

ここ数年で、ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)の知名度はかなりあがってきました。2011年の5月に日本がハーグ条約への加盟を表明してから、ハーグ条約そのものの解説や賛否両論などがメディアでもよく紹介されるようになってきたのも理由のひとつでしょう。日本の新聞がハーグ条約についての意識調査を行ったところ、2000人あまりを対象とした調査で、ハーグ条約について知っていた人は86%という高い数字がでました。同じ意識調査では、加盟への賛否についてはほぼ二分する結果がでていました。また、両親ともに親権を持つ欧米型の共同親権制に移行すべきか?という質問については、「移行すべきだ」という意見が58%にのぼったとのことです。
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2010年の厚生省の人口動態調査によると、国際結婚3万207件、国際離婚1万8968件という数字が挙げられています。国際結婚の件数は2006年をピークに減少傾向にあるのに対し、国際離婚率は増加の一途をたどっています。結婚と離婚の件数の増減の傾向は一致していないため、これらの数字は単純に「3組に2組が離婚」とは言えないものがあるにしても、離婚の比率は高いといえるでしょう。また、日本人同士の結婚も含めた離婚件数全体における、国際離婚の割合という数字は、2009年では7.7%という数字がでているとのこと。これは結婚件数全体における国際結婚の割合よりも高く、やはり日本人同士よりも外国人との結婚は破局に至りやすいことを示す数字となっています。

この傾向が続くとするならば、ハーグ条約の重要性はますます大きくなってくるでしょう。ハーグ条約に対する意見はどちらであっても、これから国際結婚をする人は必ず知っておかなければならないことだと感じます。当面、海外への移住の予定がない人(配偶者が日本にとどまる予定の人)でも、このハーグ条約に関する動きについて知っておくことは大切です。例えば、配偶者との関係が悪化して、無断で子どもを国に連れ帰るというようなことが起こったとしても、ハーグ条約に日本が加盟していれば、一旦元の国に帰してから話し合いをするという原則があるからです。また、日本がハーグ条約に加盟したら、アメリカで離婚となった場合にも、配偶者の許可なしには子どもを連れて日本に帰ることはできなくなります。この事実が、一緒に子どもを持ってもよい相手かどうか見極めるための時間をかける要素になるかもしれません。

去年の5月にハーグ条約加盟に向けて動き出した日本では、今年3月にハーグ条約に加盟するための法案が国会に提出され、法案が成立すれば早ければ来年にはハーグ条約に加盟する見通しとのこと。今後国際結婚をして、将来的には子どもももちたいと考えている方は今後もアンテナをはっておくとよいニュースのひとつとなっています。毎日更新の「成功する国際結婚の秘訣!『国際結婚一年生』著者:塚越悦子公式ブログ」では、国際結婚を真剣に考える方、そしてサンディエゴで子育てをする方にとって役立つ情報を発信しています。こちらも合わせてご覧ください。