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コラム Column

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塚越悦子

サンディエゴの公立小学校:他の教育区の学校へのトランスファー(転校)

12月、1月のコラムでサンディエゴの公立小学校について書きました。今回は、自分が住む地域ではない教育区にトランスファー(転校)するという選択肢についてご紹介します。
自宅の住所によって決められている教育委員会の所属でない、別の地域にある学校に行きたい場合には、”Inter-District Transfer Request”というフォームを提出します。たとえば、我が家はSan Diego Unified School District(SDUSD)という教育区に入っていますが、ここから別の地区にある学校に子どもを通わせたいと思ったら、所属であるSDUSDに要請の書類を出します。この書類には、その理由を選んで記入する欄があり、リクエストを受け取ったSDUSDは、フォームに記入された理由を審査し、トランスファーを認めるかどうかを判断します。
理由の選択肢は以下のとおりです:
a.    Senior Student : 家族が別の地区に引っ越したあとも、小学校、中学、高校のそれぞれ最高学年にいる生徒はそのまま元いた学校での通学を認めるもの。
b.    Continuing Student :前年度にトランスファーが認められていたら、翌年も続けて同じ学校に行くことを認めるもの。
c.    Social Adjustment/Academic Adjustment :学校の成績、あるいは社交面で、トランスファーが有益と思われる場合に認められるもの。これは「トライアル・ベース」と書かれています。
d.    Specialized Courses of Training : 自分の属する地域にはない特殊なコースを受けたいためにトランスファーを希望する場合、この理由になります。
e.    Planned Change of Residence: 近い将来、希望する学区の地域に引っ越すことになっている場合。
f.    Employment-Related: 小学校の生徒に限り、親の勤務先のある地域での通学を認めることもあるようです。
g.    Child Care : 自分の住む地域で保育園の確保が不可能な場合にのみ、この理由でのトランスファーが考慮されます。
h.    Victim of a Violent Crime : 学校で起こった暴力事件の犠牲者に対し認められるトランスファーで、住む地域の他の学校に転校できない場合にのみ認められます。
i.    Siblings :兄弟がすでに希望する他地域の学校に通っている場合。
リクエストを受け取った学校教育区は、30日以内に他地域への転校を認めるかどうかを決断し、保護者に知らせることになっています。
ちなみに、1月のコラムで書いた、トランジション・キンダー・プログラムについては、まだ決着がついていません。パウウェイ地区では、州の予算の決着を待たずに、独自のトランジション・キンダー・プログラム(Poway’s Extended Primary Program-Transitional Kindergarten、略してPEPP-TK)を継続することを表明しています。パウウェイ地区以外の住民で子どもをこのプログラムに通わせたい場合は、上記のトランスファーのリクエストを自分の属する学区に提出することになりますが、パウウェイ地区の住民の子どもが優先されるため、プログラムに入れるかどうかの結果がわかるのは学校が始まる直前の8月中旬になるとも言われています。このPEPP-TKのプログラム自体についての説明会は3月29日(木)の夜に行われるとのことがこちらのウェブサイトに記載されています。
また、SDUSDの担当者にこのパウウェイのプログラムについて聞いてみたところ「うちの学区でトランジション・キンダーの扱いについて結論が出てからでないと、トランスファーの要請を出されても認めるかどうか検討できない」という返答でした。なるほど、自分の地域の学校に行かずに他の地域の学校に行くことを認めるだけの理由があるかどうか、今の時点では判断できないという論理なのでしょう。待ちの状態はまだまだ続きそうです。
毎日更新の「成功する国際結婚の秘訣!『国際結婚一年生』著者:塚越悦子公式ブログ」では、国際結婚を真剣に考える方、そしてサンディエゴで子育てをする方にとって役立つ情報を発信しています。このトランジション・キンダー・プログラムの顛末の行方についても随時掲載していきます。こちらも合わせてご覧ください。