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中泉拓也

自己紹介

中泉拓也先生

はじめまして。関東学院大学経済学部教授の中泉です。昨年2020年7月から2021年3月まで大学のサバティカルでUCサンディエゴ の国際公共戦略大学院(Graduate School of Global Policy and Strategy)の客員研究員をしていました。10年前も2年間同じくUCサンディエゴ で滞在していて、サンディエゴ の大ファンになったので、今回のサバティカルでも同じUCSDを選んだわけです。昨年末に同じUCサンディエゴ で博士号を取得して現在早稲田大学のビジネススクールの准教授をしている牧さんのfacebookでサンディエゴタウンのOiwaさんと知り合ってこちらに投稿することになりました。

 

10年前は長男と次男が渡航直後と帰国直前に生まれて、ほとんど育児休業状態でしたが、そんな中でも子育ての環境が素晴らしかったです。自分の研究もさることながら、サンディエゴ 動物園、レゴランド、シーワールド、そしてアナハイムのディズニーランドにも足繁く通っていました。

 

今回はコロナ禍でそういったテーマパークにほとんど行けず、楽しみにしていたクルーズ旅行や東海岸への旅行も行けなかったですが、そんな中でも最高の日々を過ごせたのが凄かったです。今年はカリフォルニアの大自然の素晴らしさと、様々なスポーツを中心にアウトドアアクティビティの充実さを満喫していました。

 

さて、仕事に関してですが、専門は経済学。といっても、GDPや金融政策といったマクロ経済よりも、コロナ対策の補助金や水際対策といった規制、自動車産業の分析や環境への影響といったミクロの分野が中心です。

 

専門は企業行動を理論的(ゲーム理論と言います)に分析することが中心ですが、並行して日本での政策評価の導入の際の仕事をし始めたので、特に現在は政府の規制の評価に関する研究をしています。現在は、規制の競争への与える影響の評価を公正取引委員会が行っているわけですが、その役所内の検討委員会のメンバーだったり、東京五輪を機会に日本でもアフリカゾウの保護のため、象牙取引の抑制を目指す東京都庁の検討会議に参加し、米国からもオンラインで出てました。

 

現在最も関心があるのは、EBPMと言われる客観的な事実普遍的な理論に基づく政策の構築に加え、イノベーション、特に日本のイノベーションをどうやって促進し、失われた30年を取り戻すかというところです。実際サンディエゴ に滞在して最も感じたのは、日本では分断やヘイトクライムで非常に居心地が悪くなっているという伝え方の多い米国が、本当に居心地が良くて、さらに快適になったこと。しかも私の周りの人は本当に親切で、特にカリフォルニアはアジア系にもすごく住みやすくなったことです。

 

特に、米国ではTESLAがカリフォルニアでもこれだけ販売台数を増やしていること。アニメを中心に日本文化がさらに浸透していること。衣類や食器、炊飯器さえさらに進歩していること。日本以上にカリフォルニアで健康な食生活ができるようになったこと。そして何より親切な人がさらに増えたこと。

 

また、日本については、いきなり3月に帰国しようとしたら、UCサンディエゴ のPCR検査が日本の検査証明に合致せずに登場拒否となり、帰国者抑制もあって2週間も帰国が遅れたこと。ワクチンの摂取も遅れましたが、一旦摂取が始まると比較的スムーズにワクチン摂取率が伸び、マスク装着率も高くて、今では世界で最も防疫が進んでいること。デジタル庁ができて、これまで途上国レベル出遅れていたIT化もようやく進み始めたことなど。

 

私自身はあくまでもお客さんとして米国に滞在しただけなので、実際に働くのはもっと大変かと思うのですが、進歩とは快適になること。そして、さらに社会が寛容で親切になることということを改めて認識した次第です。コロナ禍でどんどん移動機会が減ってきますが、その中で日米両方の状況を少しでも伝えられればと思います。

 

略歴:1991年東京大学経済学部卒。2003年東京大学大学院経済学研究科修了 博士(経済学)。専門はミクロ経済学。ゲーム理論の応用や契約の経済理論に加え、規制の事前評価を中心に政策評価も手掛ける。