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2023年はもっと厳しくなる? 「エンドースメント」についてお問い合わせ急増中!

「エンドースメント」とは、看護師ライセンスの移行のことです。アメリカでは州ごとにライセンスを発行しているため、他の州で看護師として働くにはエンドースメントの手続きが必要で、例えばテキサス州で看護師のライセンスを取得していても、カリフォルニア州で看護師として働きたいのであればエンドースメントをしなければなりません。


エンドースメントの理由は「他州で働きたい」「夫の転勤」「子どもの進学」などが多く、特にハワイ州、カリフォルニア州、テキサス州、ワシントン州、ニューヨーク州、そしてカナダ(アメリカでエンドースメントすることが可能)での需要が多いです。
現在、弊社では留学に加え、このエンドースメントについてのお問い合わせが急増しています。日本にある米軍基地で働く看護師からの相談もあり、これまでお問い合わせをいただくことがなかったような方たちからの連絡も増えました。
特に「他州で働きたい」というご相談が圧倒的に多いのですが、以下のように却下されている人も少なくありません。

以下は実際に弊社にご相談いただいた方のケースです。

 

エンドースメントに関する相談内容

Mさん(ハワイ州在住) 
日本で看護師の資格を取り、結婚を機にアメリカの永住権を取得。ハワイ州で正規看護師、ナースプラクティショナーとして勤務。その後、子どもの進学でハワイ州からカリフォルニア州へライセンス移行をしようとしたが却下されてしまった。

Aさん(ニューヨーク州在住)
日本で看護師資格取得後、夫の赴任に伴い渡米。ニューヨーク州で正規看護師として3年の勤務経験がある。夫の転勤でネバタ州に行くことが決まったため、ニューヨーク州からネバダ州にライセンスを移行したいができない。


Sさん(カリフォルニア州在住)
韓国で看護師の資格を取得した後、渡米しカリフォルニア州でMSNの学校を卒業。その後ニューヨーク州の看護師のライセンスを取得。永住権を所持しているため、現在カリフォルニア州で医療従事者としてOPT中。ただしニューヨーク州からカリフォルニア州のライセンス移行はできなかった。修士号を持っていればエンドースメントができると聞いていたのに、今後どうしてよいか分からない。

Fさん(ワシントン州在住)
日本の看護大学を卒業後、ニューヨーク州でライセンスを取得。その後、オペア(au pair:ベビーシッターとして海外の一般家庭に住み込みで働くことができる留学制度)を利用しワシントン州シアトルに移る。ワシントン州にライセンスを移行したいができない。

Yさん(東京都在住)
カリフォルニア州の看護大学卒業後、日系のファシリティーでOPTをし、現在永住権スポンサー申請中。しかし今も労働許可証降りず、ニューヨーク州にライセンス移行を考えているが可能なのか。

Oさん(神奈川県在住)
日本の看護師資格を取得後、8年前にアメリカ人との結婚で就労資格を取得し米軍基地で看護助手として勤務。ご主人がカリフォルニア州に行くことが決まり、日本の看護師資格をアメリカでエンドースメントできると言われていたが、実際にはできないことが分かった。正しい情報を知りたい。

Nさん(カナダ在住)
日本の看護師資格を取得後、カナダ人との結婚でカナダ永住権を取得。その後、カナダの看護学校に編入し看護師として8年勤務。トラベルナースとして高収入が見込めるカリフォルニア州に移りたいが、カナダからカリフォルニア州へのライセンス移行ができない。


エンドースメント却下の理由とは

ライセンスを移行するだけなら簡単だろうと勘違いする人もいるのですが、実は却下されることもしばしば。その理由には以下のようにさまざまです。

アメリカの看護学校を卒業していない
アメリカの看護師として必要なことを学んでいない。特にRNとしてのマネージメントや薬理学の知識に乏しい、またネイティブとのコミュニケーション能力が劣るなどがあります。

申請条件を満たしていない
各州ごとに定めた申請条件に当てはまっていない。他にも日米の推薦者、米国内での職歴、米国在住歴、英語力を証明できないなどが考えられます。

シラバスやカリキュラム通りに、エンドースメント書類作成がされていない
日本の看護学校はどこも特色ある学校教育を提供しているため、卒業校が一緒である看護師でも年度によってカリキュラムもシラバスも異なります。その通りにエンドースメントの書類が作成されていないこともあります。以下に詳しくお伝えします。

 


書類改ざんでエンドースメント却下!

実は近年、書類作成時の問題でエンドースメントできないケースがとても増えています。中には内容を改ざんされている人もおり、このような場合はどうすることもできません。

<ケース1>
Sさん(カリフォルニア州在住)
Sさんはご主人の赴任で渡米後、すぐにニューヨーク州の看護師ライセンスを取得しました。その後ご主人のカリフォルニア州への転勤が決まったため、エンドースメントの書類作成サポートについて弊社とA社に相談し、結局費用の安いA社を選び依頼しましたが、エンドースメントが却下されてしまい、再度弊社にご連絡をいただきました。弊社がA社の申請済みの書類内容を確認したところ、卒業校で受講していない教科が入っていたり時間数を改ざんしていたりということが分かりました。つまり申請を依頼した会社はSさんの卒業した看護学校のシラバスに基づいて書類を作成しておらず、それが判明したため却下されていたのです。残念ですが、弊社でもどうすることができず、書類作成をお断りせざるをえませんでしたが看護助手として働ける職場ををご紹介した経緯があります。あれから3年が過ぎましたがやはり看護師としては働いていません。

<ケース2>
Kさん(カリフォルニア州在住)  
Kさんは正看護師資格取得者で、弊社アメリカ看護のサポートで看護留学をして渡米し、その後ニューヨーク州の看護師ライセンスを取得しました。OPTを取得しアメリカ人とご結婚されましたが、クラスメートだった友人の紹介でNCLEXやエンドースメントサービスを提供しているB社にカリフォルニア州へのエンドースメントを依頼ししたものの、却下されてしまいました。いまだカリフォルニア州では看護師として働くことができず、現在医療従事者として働いています。弊社で申請した書類を確認すると、前出のSさんと同様に卒業校では受講していない教科が入っていました。

 

2023年はもっと厳しくなる?エンドースメント最新情報

非常に厳しい状況にあるエンドースメントですが、2023年からはさらに厳しくなると言われています。アメリカの資格を持つ看護師を雇用している派遣会社や看護大学からの情報によると、コロナ禍でトラベルナースとして全米の各州で勤務していた看護師たちも、2023年は一時雇用となるそうです。つまり、コロナ禍での特例は無効になり、以前のような厳しい条件に戻るということです。特に全米でも雇用の機会が多い上、福利厚生もよく高い収入を得られるカリフォルニア州にエンドースメントできず困っている現地の看護師も多いです。

ただ、2023年2月までにエンドースメントを申請した場合、これまでと同様の条件で審査されるそうです。