San Diego Town

サンディエゴ
日本

サンディエゴタウンがゆく!

コラム Column

アメリカで看護師になろう!

アメリカ看護

体験談vol.4 Kさん

アメリカ看護学生として登場したKさんは、今年2月に看護学校を卒業し、念願のLVN Licensed Vocational Nurses)准看護師の資格を取得しました。

Kさん(29歳)

プロフィール
高校卒業後、留学のため渡米。 ロサンゼルスの語学学校を経て、コミュニティカレッジに入学しChild Developmentを専攻。 卒業後はOPTを利用して幼稚園で勤務。 その後日本に帰国し、介護の仕事に4年間従事する。看護師を目指し二度目の留学を決意。LVN看護学校を卒業した。

 

~卒業を迎えて~  

ようやく学校を卒業し、NCLEX もパス。やっと心の底から落ち着ける日が来ました。本当に看護学校に在籍している間は、いろいろな事がありました。生徒同士やときには先生との間に起こる人間関係のもつれ合いに、勉強やテストのプレッシャー。さらに留学生として、いくら友達が立場を理解してくれようとしても、分かり辛い部分もたくさんありとても濃厚でした。卒業後は、卒業できて嬉しいと言うより、仲の良い友達以外の人に会わなくてすむ!という開放感の方が大きかったです。 いろいろなことがありましたが、それでも私はクラスのなかでは、あんまり知らなかった方だと思います。何か問題が起こると、一心不乱に食べ物の事を考えて(笑)、聞こえない、見えない、関わらないようにしてたので…。

 

卒業後すぐにNCLEX試験!

卒業後、ほっとしたいのはやまやまでしたが、とにかくNCLEXがクリアにならないと、 今までの努力も水の泡。 でも看護学校時代も、家と学校の往復だけの生活に飽き飽きしていたので、 やはりたまには遊びたい!でも息抜きで遊びに行っても、頭の中では常に勉強の事を考えていました。いっそ家に帰って、遊んだ時間分勉強した方が精神的に落ち着いたかも?と後悔したことも。外の空気を吸ってから勉強に戻る辛さ。1日200問、週末は300問を解く。そんな日々が試験日まで続きました。あぁー。何をしても逃げられないプレッシャー。経済的にもプレッシャーで大変でした。

NCLEXの試験では、3,000問の中から最低75問~最高265問が出題されますが、私の場合205問でした 。85問過ぎた後からは、早く終わりたくて終わりたくて仕方がありませんでした。文章問題も凄く多くて4時間かかって終わりました。試験直後は、絶対落ちたと思い悲しい気持ちになりながら車へ。後日たくさんの人に状況を説明したらみんなが励ましてくれ、とにかくひと月後の結果を待つことになりました。

試験場でのことを学校にも報告し、自己採点で試験結果を見てみることになり、物凄くドキドキ。試験を受けた日よりも緊張しました。なんとか合格してるような結果が出ましたが、まだまだ正式な通知がないので、ひたすら待ちました。そして 一か月後に合格通知が来ました!アメリカって本当に待つ時間が長い!

 

 アメリカで就職するということ

卒業前の学期中に、星さんからアーバイン市の自宅で介護をして欲しい方がいるというお話しをいただきました。私の住んでる所からは距離があったのですがやってみることにしました。この紹介が、私の今後の人生を大きく変化してくれるきっかけになるとは、そのときは予想もしていませんでした。

 

「卒業後は、アメリカでの医療経験が重要!!」。これはいつも星さんが言っていた言葉です。結局卒業後は、星さんが紹介してくれた介護の仕事に就いたのですが、患者さんのことを知り、信用を得るまでは凄く大変でした。しばらくお家でお世話をしていた後、患者さんがボーディングケア(医師の指示の下、看護師や看護師補助ら医療従事者が、24時間体制で患者に対応する施設)に引っ越しすることになりました。 たまたま私のシフト中に引っ越しがあり、ケアギバーさんに引き継ぎとトレーニングをする日が続きました。その後もう患者さんに定期的に会うことはなくなるのかと思っていたら、ボーディングケアのオーナーさんから「良かったらアドミニストレーターとして、私の所で働きませんか?」とお仕事の誘いを頂きました。 アドミニストレーターとして働くためには、 アドミニストレーターライセンスクラスを取る必要がありましたが、無事試験にパスしてライセンスをもらうことができました。以下は私が取得したライセンスです。http://assistedlivingeducation.com/

 

グリーンカード取得のチャンスが!

その後オーナーから「グリーンカードスポンサー出来るけど、どうする?」と、急に言われ、嬉しい反面「本当??永住権?この私に!!!と思いました。早速このありがたいお話しを受け、すぐに弁護士に相談し、グリーンカード申請のプロセスを開始しました。

思えば、看護学校入学から卒業まで、いつも星さんには「今こんな感じで~す」というような気持ちや近況をメールやテキストで伝えてきました。実はグリーンカード申請中も、外国人は合法なステータスを自分でキープしないといけません。そのためOPTを申請するのですが、確実にNCLEXをパスしてからでないと申請できないので、正式な試験結果発表を待つことになりました。しかしここでI-20の有効期限が問題になってきたのです。弁護士からはグリーンカードの次のステップであるEDD申請をするかどうかを決めるため、正式な試験結果が出たら直ぐに連絡するように言われていましたが、私としては、グリーンカード取得するまでに待ち時間が必要なので、何とかお金をかけず少しでもI-20 を伸ばして貰えないかと考えていて、学校にも相談していました。しかし学校側からは「これ以上、期間を伸ばす事はできない。Noriko(星さん)の方が経験あるから彼女に確認してみる」と言われたのです。学校の留学担当者も私と同じように星さんを信頼しているのは知っていましたが、滞在資格やビザに関しては、看護学校側が慣れていないことは承知だったので、やはり星さんに確認したい!と思いました。そこでI- 20 が切れる2日前に、星さんにカウンセリングをしていただくことになりました。

私は「弁護士には『NCLEXに合格した』と言ってEEDを申請してもらい、さらに学校側に I-20の期間を延ばしてもらうことはできないのか?そうすれば、OPTの開始を遅められるし、合法的に滞在できる期間が長くなる」と思っていました。ところが星さんからのアドバイスは耳の痛いところもありましたが納得することばかり。流石でした!!

 

星さんからのアドバイス

1.I-20には、書類上での滞在期間が切れていても、60日間 ”グレースピリオド”と呼ばれる合法的に滞在できる期間があるので、その間にOPTを申請する。

2.1日も早くEEDを申請して、次のグリーンカードステップを早めた方が良い。

3.もし私が学校側に試験結果がまだ来てないと言ってI-20の期間を延ばそうとすると、学校に嘘をつくことになる。今のステータスは、全て看護学校側の協力があってのことなので、嘘は良くない。

4.今後、EEDの手続きを進める上で、弁護士が学校に私のことで問い合わせを必ずしなくてはいけなくなる。その時に私が嘘をついてるとばれたら、I-20やOPT(その時の私のステータス)を学校が切る可能性がある。

ということで、私は学校と弁護士にちゃんと試験結果を伝えることにしました。またOPTを申請するにあたって、I -20 が切れてから60日以内に申請すること、そしてOPTを申請してから手続きには90日かかるのでスタートする日は90日後で良いことが分かったのです。私も学校も“グレースピリオド”の60日の間にスタート日を設定しないといけないと思っていたので、 危うくアメリカに滞在できる時間が短くなるところでした。また星さんから、ある一定の所までグリーンカードのプロセスが進むと、日本で待っていても良いと言われ、 弁護士にそれがいつなのか聞いてみるようにアドバイスされました。早速弁護士に聞いてみると、EED申請後、6か月後位で移民局での手続きが始まるから、その後は日本で待ってても良いという返答がきました。でもこれが上手く行かなかった場合を想定し、今後のことも弁護士に相談したのですが、"You are thinking too much. Don't worry. There is a way. Let me file EED and go to immigration. What you do now is fax NCLEX official letter and ADMINISTRATER's license. It will help you to go through paper work faster with qualification " と、ハイテンションで言われました。あれこれもう考えてる暇がないので、これを信じて前に進むしかありませんでした(笑)。

 

感謝

留学から卒業、就職まで…星さんにはこれまでいろんなことでお世話になりました。辛いことも苦しいことも、今ではライフレッスンの一つだったと思い、今後の人生に生かすことができれば良いなと思っています。それでもビザのことやいろんな問題で、心が折れそうになることが多々あります。そんなときはやっぱり常に信頼している星さんに連絡(笑)。

 

海外生活において頼れる人が近くにいる、相談に乗ってくれる人がいるということは、本当に自分自身をより良い方向方へ導いてくれるんだ!と心から思います。

 

もちろん私自身も強くなったと思います。少なくともアメリカでの生活で、人間関係の悩みのストレスを感じるボーダーラインが上がりました( 笑)。

星さん、今後もどうぞよろしくお願いします!

 

写真2キャプション:
上司のマキさん(左)。いつも笑顔を絶やさず、 絶対に怒らず、人を大切にされる方です。マキさんの近くにいたり 話していると、なぜか幸せな気分になったり、 こんなことで悩んでる場合ではないなと思えてしまいます。ボクシングが趣味のケアギバーさん(右)は、凄く優しい方で、何かあると手を差し伸べてくれます。ジョークを飛ばして、笑いの絶えない空間にしてくれます。

写真3キャプション:

試験に パスしたという手紙をもらったときは本当に嬉しかったです。今、ようやくほっとしています。これから試験を受けるクラスメイトには「私でも受かったんだから大丈夫!」と言って励ましています。

 

~星宣子から~

Kさんへ
最初にロサンゼルスで出逢った日から、Kさんがアメリカで看護師としてデビューし、永住権申請まで行ったことを本当に誇りに思っております。20歳前後で看護師留学をするために渡米し、苦い思いをして日本に一旦帰国。それから4年もの間、米国看護師への夢を諦めずに準備をして再渡米したKさん。私もKさんの渡米が再決定した後、Kさんに合った語学学校や看護学校選びに時間を費やしてきました。看護学校選びは留学アドバイザーの大切な仕事の一つだと心から思っているので、何度も看護学校へ足を運び、入学後もアドバイザーや看護科のディレクターと何度もミーティングを重ねてきました。アメリカでの看護留学は、学校選びから入学から卒業にいたるまで、そしてNCLEX試験合格のハードルはとても高く、また勉強量も驚く程多く大変なのが現実なのです。

Kさんは、再渡米後、まず語学学校で英語力をつけ、医療ボランテイアを経て、看護学校 に入学。NCLEX合格と永住権取得は、これらの努力の賜物と言えます。悔しさのあまり泣きながら私に電話をくれた日、嬉しくてテキストしてきた日、困ってメールをくれた日―私はいつもKさんに「迷ったらSTAY、決めたら迷うことなくGO!!だよ」とも言い続けてきました。誠実な心で何事にも立ち向かおうとするKさんは、正直すぎて誤解をされたり、周りの人から妬みをかったりと、思いがけないようなことを看護学校中にたくさん経験したようです。そんな苦難を乗り越えて勝ち取ったアメリカ看護師デビューだからこそ、今は自分を褒めて喜んではしゃいで欲しいです。

日本にいるご家族は、さぞかし長女のKさんを誇りに思っているのではないかと思います。それと同時に、就職後は日本にどれだけ帰ってきてくれるか心配されているかもしれませんね。

あと半年もすれば、永住権保持者の看護師として働くことができます。永住権取得後は、初任給でディナー をご馳走してくれると言ってくれたので、その日を心待ちにしています。私にとっても、Kさんの卒業・就職はとても嬉しいです!

これからも「頑張りすぎず、自分らしく~!」応援しております!  

星宣子

 

写真提供元:by アメリカ看護