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アメリカで看護師になろう!

アメリカ看護

M. I. さん体験談 延期を経て渡米、看護学校スタート

プロフィール:四年制大学看護学科を卒業後、消化器外科病棟に勤務する。カナダに親戚がいたこともあり4ヶ月間、語学留学をする。帰国後に大学病院に勤めるが、海外で働きたいという気持ちを捨てきれず看護留学を決意する。M. I. さんの前回の体験談はこちら

 

M.I. san

写真提供元:by アメリカ看護

 

生活面 留学保険のすすめ

ロサンゼルスに引っ越してから1ヶ月が過ぎようとした時に今までに経験したことのない激しい胃痛に襲われたためクレジットカード付帯の海外旅行保険を利用して日本人医師のクリニックを訪れました。日本でも同じ製品名の胃薬を処方されたのですが、90カプセル(3ヶ月分)で180ドルでした。とても高額だったためレジのお兄さんに“Are you aware of this price?”と、無保険で購入する私に心配そうな顔つきで聞かれたのを覚えています。診察代は一切支払わずに済んだのですが処方は一度自分で支払って後から請求する型式だったので、一時的とは言えどお財布には大打撃でした。健康を意識して過ごすことの大切さとアメリカの医療の現実を少しだけ体験した瞬間でした。私のクレジットカードの海外旅行保険は3ヶ月有効だったので、その後のフォローアップも無料で受けることができ、サポートデスクは24時間対応しているのでスムーズに病院受診をすることができました。これから留学を考えている方には自分のクレジットカードの条件と検討している留学保険の比較をしておくことをお勧めします。

看護学校 課題に追われる日々

現在、4科目を受講していますが、1コマが3〜4時間と非常に長いです。授業は基本的に教科書を読んできているという前提で授業は進みますし、1回の授業で1〜2章(1章は大体30ページします)を終わらせることがほとんどです。そうなるとそれぞれの授業までに30ページほどの教科書を自分で噛み砕いていかなければなりません。また、ディスカッションといって学校の学習サイトに他生徒と意見交換をする場があるのですが、そこに週一回トピックに沿った書き込みをして、他生徒の意見に対して返信をしていくという課題があります。自分の提供する情報が裏付けされていることを証明するための参考文献を載せるために、それに準じた文献検索が必要になります。イメージしやすいように先週一週間の私のTo Doリストを記します。

  • 教科書またはスライド30〜40ページの予習 × 4教科

  • ペーパーのリサーチとその導入の書き出し × 2教科

  • ディスカッション(参考文献としての文献検索を含む)

  • 2〜3分間のスピーチの作成と録画

  • クイズ(小テストのようなもの)の勉強 × 2教科

  • 授業内容の復習問題 × 2教科

一つ一つに数時間はかかるのであっという間に一日が過ぎていきます。ペーパーとは、与えられたトピックについてリサーチを行い、自分なりの考察を記していくWritingの一種です。大学時代に約1年かけて仕上げた看護研究のミニバージョン(実践無し)を3ヶ月間で授業と並行しながら行っているような感覚です。看護学校に入学してから私が強く思ったのは、読解力が非常に求められるということです。授業では疫学、統計学、社会保険制度などの日本語でもとっつきにくい内容を英語で勉強します。何行もする一文を正しい文法に沿って読んでいなかったために全く異なる意味になっていたことはしょっちゅうありますし、如何せん読むこと自体に時間がかかります。そういったところでは語学学校で受講したTOFLEの授業がとても役に立っていると感じました。

TOEFLのReadingセクションでは天文学、アメリカ史、生物学などの学問的な内容の長文3つを1時間で解かなければなりません。数ヶ月の受講ですが読解力は大分鍛えられ、最後には20点ほど点数を伸ばすことができました。もし語学学校に通っていなかったら現在の看護大学での授業内容についていくことははるかに難しかったと思います。

現在は全てオンラインクラスですが、アメリカの授業スタイルは生徒それぞれが積極的に発言をして共に理解を深めていくという学生参加型授業です。自分の意見をしっかりと持ち、論理理的に伝える能力が求められてきます。また、意見を求められるということは学校内だけではありません。これはアメリカに限った事ではないと思いますが、多国籍の方と話していると、社会的問題、政治や宗教など一つ一つに意見を求められます。私は渡米準備期間でアメリカに関する本やテレビ番組などで予習をしていたので、会話に出遅れることはありませんでした。特に内容によってはコメントを控えた方がいいこともあるので、この点は事前学習が役に立ちました。その反面、日本の政治システム、同性結婚、女性の権利などの質問を受けた時に上手に説明出来ないどころか、隣にいたアメリカ人に先を越されて回答されてしまいました。恥ずかしい思いをしたのはもちろん、知っていないことでその後の会話のチャンスを逃してしまったということです。自分のお国事情にも関心を持つことがいかに重要であるかを学びました。

課題に追われる忙しい日々が続いておりますが、着実に知識を身に付けていると実感しています。例えば、アメリカの社会保険制度を時間をかけて深く学べるのはとても貴重なことですし、将来に生かすことをイメージしながら受講すると4時間の授業もとても楽しいものになります。先生方は各授業で質問があるか必ず確認してくださり、フロントの方々も質問には気持ちの良い対応で丁寧に答えてくださいます。この学校を勧めてくれた星さん、アメリカ看護の皆様にはとても感謝をしております。自分の力ではここまでたどり着くことは出来なかったでしょうし、アメリカ看護様のサポート受けることができてとても幸せ者であると思っています。これからもよろしくお願いいたします。