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コラム Column

日本酒唎酒師あやかが日本酒を語る

伊藤彩夏

精米歩合(せいまいぶあい)について

お店に来られるお客様で日本酒のメニューを見て「どれが純米大吟醸?」と聞かれるお客様がいらっしゃいます。

特定名称酒と呼ばれる日本酒は大きく2種類に分けることができ、原材料が米、水、麹、酵母から出来ている純米系と米、水、麹、酵母に醸造アルコールを添加したアル添系の2種類になります。
アル添と聞くとあまり良いイメージを持たれない方もいらっしゃるかもしれませんが、特定名称酒のアルコール添加は、白米の総重量の10%未満の醸造アルコールという規定があるり、生産コストを削減するためにアルコール添加をしているわけではなく、華やかな吟醸香を醸し出したり、キリッとした飲み口をつくりだしたりするために添加されています。

お米を削って、残った白米の部分の割合をパーセンテージで表したものを精米歩合といい70%以下が本醸造酒、60%以下が純米吟醸酒と吟醸酒、50%以下が純米大吟醸酒や大吟醸酒とカテゴリー分けされ、純米酒については、水、米、麹、酵母の4つの原材料から醸されていればよく、精米歩合の規定はありません

これらの規定に当てはまる日本酒は特定名称酒に区分され、アメリカで一般的にプレミアム酒と呼ばれているものがこのカテゴリーに当てはまります。この規定外の日本酒を普通酒とよんでおり、日本酒生産量の約8割は、普通酒のカテゴリーに分類されています。一般的にお米を削れば削るほど、雑味が消え、スッキリとしたきれいな日本酒になると言われています。それと共にお米自体の持つ旨味も少なくなるので、日本酒の好みによっては、必ずしも「純米大吟醸だから純米酒や純米吟醸酒よりも美味しい」ということにはなりません。

現に30種類以上あるBESHOCKの地酒メニューのなかでも、特に人気があるのは、冷酒でのんでも燗で飲んでも美味しい福井県黒龍酒造さんの純米酒九頭竜と、ほんのりとしたフルーツの香りとスッキリとした飲み口の愛知県関谷酒造さんの本醸造 Enter Sake Blackが人気銘柄となっています。

精米歩合を元に日本酒を選ぶのも1つの方法ですが、山田錦や五百万石などの特徴的な酒米や地域限定の酒米、香りに影響をもたらす酵母などに注目して飲み比べるのも面白いと思います。BESHOCKでは、全ての日本酒を味わい別に分類しているので、日本酒初心者の方にはFind your favoriteの酒フライトをお勧めしています。先ほどご紹介したMellow & Eleganceな九頭竜、花の香りを思わせる吟醸香とほのかな甘みが特徴的なAromaスタイルの出羽桜 桜花、そして控えめな香りに、日本酒本来の旨味とほどよい酸味が加わったTraditionalスタイルの秋田晴れ。特徴的な3つを飲み比べることで自分好みの味わいを見つけることができます。

既にお気に入りの日本酒があれば、その味わいに合わせて唎酒師である私やトレーニングを積んだスタッフがお勧めの日本酒を紹介させて頂くことも出来ますので、ご来店の際には是非お声がけ下さい。

 

2017.8.17

唎酒師 伊藤彩夏